概要
TE ConnectivityがMetaと共同で開発した次世代ラック用液冷バスバーについて説明。この技術は、AIワークロードや高性能コンピューティングの増加する電力需要を満たすことが目的。
主なトピック
- 背景
- 業界全体でラックレベルの電力要求が急速に増加中。
- Metaの既存規格「ORv3 HPR」では、空冷で最大140kWをサポート。将来的にはラックごとに最大1.2MW(2029年予測)を目指す。
- 液冷バスバーの利点
- 同じサイズで空冷バスバーの5倍の電流を供給可能。
- 既存のラックインフラに簡単に統合可能。
- 温度上昇を抑え、効率的な電力伝送を実現。
- 設計の考慮点
- 温度管理:コネクタ間で30°C以下の温度上昇を目指す。
- 電圧降下:0.1V以下に制限。
- 安全性:液体が銅と接触しない構造、漏れ防止テストの実施。
- モジュール性:ホースのクイックコネクト設計で保守性を向上。
- テストとシミュレーション結果
- 最大750kWの液冷バスバーを開発・テスト。
- 8000Aの電流負荷で、温度上昇と電圧降下が基準内。
- 実使用に近い条件での試験でも良好な結果を確認。
- 次世代への展望
- 電流容量のさらなる増加を目指し、設計を改良中。
- TE ConnectivityのBB2000コネクタとの併用で効率的な電力伝送を実現。
液冷バスバーの比較表
項目 | 空冷バスバー (36kW) | 空冷バスバー (140kW) | 液冷バスバー (200kW) | 液冷バスバー (750kW) |
---|---|---|---|---|
電力容量 | 36kW | 140kW | 200kW | 750kW |
重量 | 同等 | 同等 | 同等 | 同等 |
温度上昇 | 高い | 中程度 | 低い | やや高い |
電圧降下 | 大きい | 中程度 | 小さい | 小さい |
今後の展開
- Metaと協力し、OCP(Open Compute Project)での規格化を進める。
- 接続部分の改良やモジュール設計の最適化を継続。
- 新しい液冷バスバーの開発により、さらなる電力容量の拡張を目指す。