OCP (Open Compute Project) のRack and Power ワークストリームにおけるBlind Mate Liquid Cooling (BMQC) インターフェースの進展について説明されました。AI時代の課題に対応するための最新のエンジニアリングソリューションが紹介されています。
BMQCの基本設計
- ホリスティックソリューション
BMQCは単なるバルブではなく、複数のインターフェースや仕様で構成される総合的なソリューション。 - 追加可能な液冷キット
標準的なORv3ラックフレームにボルトで取り付け可能。溶接や特注部品を必要とせず、汎用性を確保。 - 接続の簡素化
バルブは自己調整機能を持ち、接続時のズレや誤差に対応可能。
バルブ設計の特徴
- フローティングボディ構造
バルブのプラグは回転と調整が可能で、ズレや角度の誤差を吸収。 - 高い許容範囲
接続のズレを吸収する広範囲な動作範囲を持つ。
マニホールド設計
- 標準チューブを採用し、重要なインターフェース部分を高精度で加工。
- 高剛性構造により、バルブや液体の圧力に対応。
- 開放型デザインで接続点を上下に配置。
テストとパフォーマンス
- 16通りのバルブ組み合わせを検証
複数の供給元と異なるマニホールドで相互運用性を確認。 - 流量性能
流量の変動を±10%以内に制御。9LPMの上限流量を達成。 - 耐久性と環境試験
耐圧試験(最大150psi)や耐塩害試験(ASTM B117)をクリア。動作温度範囲は-40℃~70℃。
公開された仕様
- BMQC仕様書
バルブ設計やテスト要件を詳細に記載。 - マニホールド仕様
フレームへの取り付けや剛性要件を網羅。 - ITギア設計
インジェクターメカニズムや内部ホースルーティングの推奨事項。 - ORv3フレーム仕様の更新
液冷キットの取り付けポイントや剛性要件を統合。
次のステップと参加方法
この仕様はOCPマーケットプレイスで公開されており、サンプル部品も利用可能。また、冷却環境やコールドプレートワークストリームなど他の関連ワークストリームも進行中。
このアップデートにより、液冷システムの設計・導入がより効率的かつ柔軟になり、次世代のAIや高性能計算(HPC)の冷却ニーズに対応するための基盤が整備されました。