OCP | ORv3 Blind Mate Liquid Cooling BMQCの最新情報

OCP(Open Compute Project)におけるORv3フレーム用「Blind Mate Liquid Cooling BMQC」の仕様と設計の最新アップデートが発表されました。この取り組みは、AIの進展に伴う冷却課題を解決するため、複数の企業とエンジニアが共同で開発した液体冷却技術に焦点を当てています。

主なポイント

1. BMQCグループの概要と設計目標

  • 設計の全体像: BMQCは単なるバルブではなく、ORv3フレームに追加可能な液体冷却キットを含む、包括的なインターフェースと仕様を提供。
  • 拡張性: 標準のORv3ラックフレームにボルトオン方式で取り付け可能。特別な部品や溶接が不要。
  • 自己整列型接続: バルブはラックの背面で自己整列し、簡単に接続・分離できる設計。

2. バルブ設計と性能特性

  • 特徴的な設計:
    • アライメントコーンによるプラグの整列。
    • フローティング構造でずれや角度の誤差を吸収。
    • Oリングシールで確実な密閉性を実現。
  • 耐久性と圧力対応:
    • 作動圧力を従来の35 PSIから50 PSIに増加。
    • 接続・切断時のスピル量やエアー混入量も厳密に制御。
    • -40°C~70°Cの温度範囲での動作を保証。

3. システム全体の試験と実証

  • 互換性テスト:
    • 4つのサプライヤーから提供された部品を使用し、16種類のソケットとプラグの組み合わせを検証。
    • 各組み合わせでの流量パフォーマンスを保証。
  • ラック全体の実証実験:
    • 12台のシャーシを組み込んだフルラックでの試験。
    • 流量の変動は8~9%で、目標範囲(10%以下)を達成。
    • マニホールドの上部接続・下部接続の違いによる影響は最小限。

4. 公開された仕様と今後の展開

  • 仕様公開:
    • BMQCの詳細仕様、試験プロセス、設計要件が公開済み。
    • QRコードで仕様書や試験治具のセットアップ情報にアクセス可能。
  • マニホールド仕様:
    • 広範囲の許容差を考慮した設計。
    • ラックとのインターフェースや構造剛性を詳細に記載。
  • IT機器の設計:
    • シャーシ保持用の新しい注入機構やホースの配線推奨事項も追加。

5. 今後の参加方法

  • 作業部会への参加:
    • 冷却環境やコールドプレートの作業部会にて、BMQC関連技術のさらなる発展を推進可能。
  • 市場投入:
    • 関係各社がサンプルや仕様を提供しており、仕様の検討・試験が可能。

まとめ

このプレゼンテーションは、液体冷却の設計と標準化を進めるための包括的なガイドラインを提供しました。BMQC仕様は、冷却効率を最大化し、AI時代の高性能データセンター運用に貢献することを目指しています。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: