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  • NVIDIAとCiscoのUSFP、プラガブル光トランシーバーの帯域密度を高める設計

    NVIDIAとCiscoのUSFP、プラガブル光トランシーバーの帯域密度を高める設計

    AIの計算を多くの機器で分担すると、計算結果を渡すための通信も増えていきます。機器同士をつなぐスイッチには、光ファイバーを接続するモジュールが並びます。各モジュールが1秒あたりに伝送できるデータ量を増やせれば、限られた前面のスペースをより多くの通信に使えます。

    NVIDIAとCiscoが2026年10月12日に発表したUSFP(Ultra-Dense Small Form Factor Pluggable)は、そのためのプラガブル光トランシーバーの新しいフォームファクター案です。機器に着脱して使う光送受信モジュールの形状や接続仕様を見直します。米国サンノゼで10月12〜15日に開かれたOCP Global Summitの時期に示されました。光モジュールを大きくする代わりに、中で並行して信号を運ぶ経路と、機器につなぐ接点を見直します。[1・3]

    簡単にまとめると?

    • USFPは、既存のOSFPと同程度の占有面積で、プラガブル光トランシーバーの伝送容量を増やす計画です。
    • Ciscoの説明では、16レーン×400 Gb/sが6.4 Tb/s。12.8 Tb/sは32レーンへ拡張した場合の構想です。
    • 高速信号用の接点を、モジュールの挿入後に接触させる設計を採ります。オープン仕様の策定も今後の計画です。

    光モジュールを交換できる形に保つ

    光トランシーバーは、機器側の電気信号と、ファイバーを通る光信号を相互に変換する部品です。プラガブル(pluggable)は、機器へ着脱できる構成を指します。モジュールを独立した交換単位として扱えることが、この方式の特徴です。Ciscoも、現場で交換できる部品や複数の供給元を使える体制を、引き継ぎたい利点に挙げています。[2]

    USFPで見直すのは、その交換単位の中へ収める通信経路です。共同発表では、最初の構成を既存のOSFPと同程度の占有面積に収めるとしています。これは寸法上の狙いであり、既存のOSFPポートへそのまま取り付けられるという説明ではありません。機器側との接点には新しい構造を用います。[1]

    6.4 Tb/sは、16本のレーンを合わせた値

    ここでいうレーンは、電気信号を並行して運ぶ経路です。一つの経路を速くする方法と、経路の数を増やす方法を分けると、発表の数字を追いやすくなります。

    Ciscoの技術解説は、最初の構成を16レーン、各レーンを400 Gb/sと説明しています。計算すると16×400=6,400 Gb/s、つまり6.4 Tb/sです。将来、同じレーン速度で32レーンに増やせば12.8 Tb/sになります。[2]

    レーン数と帯域の関係。Ciscoの説明[2]から構成別に整理
    構成の段階 電気側のレーン数×速度 合計
    最初の計画 16×400 Gb/s 6.4 Tb/s
    将来の拡張 32×400 Gb/s 12.8 Tb/s

    これらは計画された電気インターフェースの容量で、アプリケーションが実際に転送できたデータ量の測定値ではありません。また、電気側のレーン数だけから、必要な光ファイバーの本数や届く距離は決まりません。光側でどのように信号を載せるかは、モジュールの具体的な方式によります。

    Ciscoは6.4 Tb/sの構成を、現在の1.6 Tb/s級のプラガブル光トランシーバーに対して4倍の帯域密度と説明しています。同程度の前面スペースで、1秒間に運べるデータ量を4倍にするという説明です。レーン1本の速度が4倍になるという意味ではなく、レーンを速くすることと、本数を増やすことの組合せです。[1・2]

    差し込む動きと、接点が触れる動きを分ける

    信号を運ぶ経路を増やすには、モジュールと機器を結ぶ接点も設計し直す必要があります。USFPは接点を平面的に並べる二次元配列のコネクターを使い、挿入を二段階に分けます。両社の説明では、まずモジュールを差し込み、その後で高速信号用の接点を接触させます。[1]

    両社は、接点の摩耗を抑え、高速信号を安定して伝えやすくすることを狙っています。今回参照した発表には、摩耗量や着脱回数を比べた試験結果は示されていません。[1]

    製品を比べるときは、容量の先も見る

    実際に機器へ採用するなら、必要な伝送容量に加え、接続距離、機器側のコネクター、消費電力と冷却条件、交換時の手順が判断材料になります。たとえば、短い距離で使う接続と建物内を長く引き回す接続では、同じ帯域が欲しくても、選ぶ光方式が同じとは限りません。

    両社は、複数の供給元が参加する共同プロジェクトを通じてオープンな業界仕様を作る計画を示しています。2026年10月12日の発表だけでは、完成した共通仕様や製品の提供時期までは確認できません。USFPの特徴は、レーン速度だけを上げるのでなく、経路の本数と接点の動作まで組み合わせて、交換できる光モジュールの容量を増やそうとしている点にあります。[1]

    GPUに加えてネットワークも手がけるNVIDIAの事業全体は、CyclewaveのNVIDIA企業解説で紹介しています。

    参考資料

    資料確認日:2026年10月26日。数値と構造は発表元の設計計画に基づきます。

    1. NVIDIA・Cisco「NVIDIA and Cisco Introduce New Pluggable Optics Form Factor to Scale AI Factories」。2026年10月12日。占有面積、電気信号、接点の構造、仕様策定計画。
    2. Cisco、Bill Gartner・Will Eatherton「Cisco and NVIDIA Announce USFP: Expanding the Path to AI Connectivity」。2026年10月12日。「Accelerating the next generation of AI fabrics」の16レーン/32レーンの区別。
    3. Open Compute Project「2026 OCP Global Summit By the Numbers」。開催日・開催地の確認。