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OCP Korea 2026 | 銅でも光でもない、ラック内接続の選択肢

半透明の弧の内部を小さな波が進む、プラスチック導波路の信号を表す抽象画

AIサーバーの中では、GPU同士やスイッチへ向かう短いケーブルが何本も走ります。遠くへ送る光ファイバーほどの距離は要らない。それでも通信速度が上がると、太い銅線を短い範囲に押し込むのも難しくなります。

2026年8月のOCP Korea Tech Dayで、Point2 TechnologyのThomas Cho氏は、銅線と光の間にプラスチックの導波路へRF信号を通す選択肢を示しました。「e-Tube」と呼ぶこの方式が、どこを置き換えようとしているのか。通信の通り道から見てみます。[1・2]

銅線が厳しくなるのは、短い距離でも

銅ケーブルは安く、構造が分かりやすく、交換もしやすい。一方、高速の電気信号を通すほど損失が増え、太い線を選んだり、信号を補正する回路を足したりする必要が出ます。ラック内なら数メートルで足りても、速度、密度、曲げやすさ、風の通り道を一緒に満たすのは簡単ではありません。[2]

光ファイバーは長い距離を得意としますが、電気信号から光への変換と、その逆の変換に部品と電力が要ります。どちらが有利かは距離だけで決まりません。発表資料が示すDAC、補正回路付き銅ケーブル、光ケーブルの到達距離は2026年時点の代表例であり、線径、コネクター、送受信回路によって変わります。[2]

信号を「空中」ではなく、プラスチックの中へ導く

e-Tubeでは、両端の送受信チップが電気信号を高周波のRF信号へ変え、アンテナからプラスチック製の導波路へ入れます。導波路は電波が進む道筋を作る部材です。反対側でRF信号を受け、また電気信号として装置へ渡します。無線の仕組みを使いますが、ラックへ向けて空中に電波を放つ方式ではありません。[2・3]

資料にある1.6TbpsのOSFPケーブル案では、OSFPという差し込み式の端子、RF送受信チップ、導波路、接続部を一体として描いています。ケーブルの中を通る媒体は銅導体でも光ファイバーでもない一方、両端は能動回路を使います。資料で「バックプレーンの通り道は受動的」と書かれる部分と、ケーブル全体が電源不要であることを混同しないようにしたいところです。[2]

比較の数字は、同じ条件で確かめてから

Point2は、銅に比べた到達距離や重さ、光に比べた消費電力や遅延の利点を提示します。ただし、資料の1.6T比較図には「相対比較のための推定」と明記されています。ケーブルの構造、送受信回路、コネクター、システム側の余裕によって結果は動きます。宣伝文句をそのまま製品間の保証値にはできません。[2]

計測と製品化の段階も分けて見る必要があります。Point2は2026年にe-Tubeの実演を告知し、Keysightとは1.6Tbps級の信号を評価する協業を発表しました。これらは技術が検証段階を進んでいる根拠ですが、ラック全体での量産採用や長期故障率の証明ではありません。なお、従来型の銅線用AECについての生産拡大発表を、新方式e-Tubeの量産実績に読み替えることもできません。[4・5・6]

まずはケーブル、その先にパッケージの近く

発表は、差し込み式のケーブルから、半導体のパッケージに近い場所へRFの入口を移すNPE、さらに一体化を進めるCPEまで描きます。途中のバックプレーン接続では、基板へ信号を長く引き回さず、装置を交換しやすい接続にしたいという狙いがあります。ただし、この後半は展開案やロードマップを含みます。現在購入できる同一仕様の完成品を並べた表ではありません。[2]

銅、光、プラスチック導波路は一つの勝者に決まる話ではありません。必要な距離と速度、端子の数、消費電力、交換のしやすさが違えば、選ぶ媒体も変わります。e-Tubeの面白さは、ラック内で銅が苦しくなり、光では構成が重い場面に、別の信号の通り道を差し出す点にあります。実装例を読むときは、どこまでが試験済みで、どこからが設計目標かを確かめたいところです。

Point2 Technologyの事業全体と開発段階は、cyclewaveの企業記事で整理しています。

参考資料

2026年9月23日確認。本文は公開スライドと両社の一次資料をもとにしています。講演動画の発言・質疑は確認対象に含めていません。数値比較はPoint2の推定条件を超えて一般化していません。

[1]Open Compute Project「2026 OCP Korea Tech Day」発表一覧。開催日、登壇者、資料掲載。

[2]Thomas Cho「e-Tube RF Transmission over Plastic Waveguides」公式掲載スライド。16頁。銅・光の比較はpp.3–6、信号経路はpp.7–9、条件付き比較はp.10、展開案はpp.11–15。

[3]Point2 Technology「e-Tube Technology」。RF送受信チップとプラスチック導波路の説明。

[4]Keysight・Point2 Technology「次世代AIスケールアップ用相互接続技術の推進に向け提携」。2026年1月29日。1.6Tbps級の信号評価に向けた協業。

[5]Point2 Technology「DesignCon 2026でe-Tubeを実演」。2026年の実演告知。

[6]Point2 Technology・FIT「従来型400G AECの生産拡大」。2021年の発表。

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