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OCP APAC 2026 | パワーシェルフを分けると、AIラックの電力供給はどう変わる?

淡い青の複数の細い帯が一つの流れへ合流する抽象画

AIサーバーを収めるラックに、電源装置も一緒に積み続ける。消費電力が増えても、しばらくはそれで対応できます。ただ、計算用の機器や冷却の部品も増えると、ラックの中で場所を取り合うようになります。

2026年8月のOCP APAC Summitで、LITEONのRafael Lee氏が示したのは、電源を別の「Power Rack」にまとめ、計算用の「IT Rack」へ電気を渡す構成です。電圧を上げる話だけでなく、どこで電気を変換し、どこに蓄電の備えを置くかを一緒に考える発表でした。[1・2]

電源を置く場所が変わる

従来の構成例では、ITラックの中にパワーシェルフを収め、交流を約50Vの直流に変えていました。パワーシェルフは複数の電源ユニットを並べる棚です。サーバーが使う電気をまとめてつくり、部品の交換や予備の確保もここで行います。

LITEONの次の構成例では、その棚をPower Rack側へ移します。Power Rackで交流を800Vの直流に変えてITラックへ送り、ITラック側で50Vへ下げる流れです。低い電圧のまま大きな電力を遠くへ運ぶと、電流が増え、配線や接続部の負担が大きくなります。そこで、ラック間は高い電圧で運び、サーバーの近くで必要な電圧へ変えます。[2]

この配置なら、ITラックには計算機器や冷却のための場所を残しやすくなります。一方で、変換器が一段増えるため、配線の損失だけでなく変換器の損失も合わせて見る必要があります。「800Vだから全体が必ず高効率」とは言えません。

110kWの棚を六つ並べた構成例

発表に載るPower Rackの例は、110kWのパワーシェルフを六つ置く660kW構成です。バッテリーバックアップユニット(BBU)を組み込む例と、組み込まない例が並んでいます。どちらもPower Rackから800Vの直流を送り、ITラック側のDC/DC変換器で50Vに下げます。これはLITEONが示した構成例で、すべてのOCPラックが同じ容量や配線になるという意味ではありません。[2]

BBUは、施設側からの給電が途切れたときに短時間の電力を支えるための部品です。組み込むかどうかで、Power Rack内の機器の配置、保守する部品、停電時に何を守るかが変わります。必要なバックアップ時間や施設側の無停電電源との役割分担は、この図だけでは決められません。

大きなラックほど、運用も一緒に設計する

電源棚の数が増えれば、一つのユニットを止めて交換する場面も増えます。どの棚を予備として持つか、電源の異常をどこで検知するか。ラックへ電気を届ける方法は、運用の仕方ともつながっています。

LITEONは、パワーシェルフに加えてBBU、電圧を下げるモジュール、冷却設備までを発表の中で並べています。これらは同社の提案する製品群であり、導入先ごとに必要な組み合わせは違います。製品を比べるときは、棚単体のkWだけでなく、Power RackからITラックまでの電気の通り道と、停電・交換時の動きを確かめたいところです。[2]

LITEONの事業全体は、cyclewaveの企業記事にまとめています。

参考資料

2026年9月23日確認。本文は公開スライドをもとにしています。講演動画の発言や質疑は確認対象に含めていません。容量・配置はLITEONの発表例で、OCP共通の仕様値としては扱いません。

  1. Open Compute Project「2026 OCP APAC Summit」発表一覧 — 「Powering AI Infrastructure: From Power Shelf to Rack-Level Power Architecture」、Rafael Lee(LITEON)。
  2. 同発表の公式掲載スライド — 全11ページを確認。本文は主に6〜10ページ。

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