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OCP Korea 2026 | RDHxの流路は、PG25でどう変わる?

斜光が薄いガラスの曲面を横切り、青い影が生まれる熱境界の抽象画

ラックの背面に熱交換器を置き、サーバーの排気から冷却液へ熱を移す。これがリアドア熱交換器(RDHx)です。冷却の仕組みは分かりやすくても、その内部で液体が通る細い流路をどう作るかは、簡単には決まりません。[1]

2026年8月のOCP Korea Tech Dayで、バーミンガム大学のXizhi Song氏らは、プロピレングリコールを約25%含む水系冷却液「PG25」を使ったRDHxの設計を取り上げました。焦点は、熱を十分に運びながら、ポンプやファンに余計な力を使わせないことです。[1・2]

水と同じ流路を、そのまま使えるとは限らない

PG25は、この資料で比べた水より粘度が高くなります。資料に載る市販冷却液の一例では、20℃の粘度はPG25が2.84mPa・s、水が1.00mPa・sでした。これはPG25という名前の全製品に共通する値ではなく、配合や温度でも変わります。粘りが増すと、特に狭い流路で液体を押し流す負担が大きくなります。水用に都合のよかった形が、PG25でも最適とは限らないのです。[1]

資料は、冷却液を通す道として、押し出した平たい管の内部に複数の孔を設ける方式と、フィンや薄板を重ねて流路を作るプレートフィン方式を比較します。どちらも形の名前だけで優劣は決まりません。流路の幅と高さ、並列に何本通せるか、流れの長さを同じ条件で組み直して初めて比べられます。[1]

熱を取りやすい形は、流れやすい形とは限らない

フィンの形を変えると、冷却液との熱の受け渡し方も、流路の抵抗も変わります。熱伝達を強くする指標だけを追えば、液体を送るための圧力や電力が増えるかもしれません。資料が複数のフィン形状を並べたのは、熱の取りやすさと圧力損失を一緒に見るためです。[1]

15kWの放熱を目標にした資料中の設計比較では、外形、空気と冷却液の流量、入口温度をそろえています。熱を運ぶ量は両案とも約15kW。一方、冷却液がコア内部を通る際の圧力損失は、比較対象の約2.0kPaに対し、選ばれたプレートフィン案が0.74kPaでした。空気側の圧力損失は235.7Paに対して約242Paと、わずかに増えています。差を生んだのは方式の呼び名ではなく、フィンと流路の組み直しだと資料は説明します。この値は一つの設計条件での比較であり、RDHx全般の性能保証ではありません。[1]

最後はポンプとファンを合わせて考える

液体側だけの圧力損失が小さくても、空気側の流れを妨げればファンの電力が増えます。必要な熱を取り切れること、空気と液体の両方が流れやすいこと、ポンプとファンを合わせた補機電力が低いこと。この順で見ると、熱交換器の「よさ」を一つの数値に押し込まずに済みます。[1]

まだ確かめることもあります。コアの入口・出口やヘッダーでの損失、流れの偏り、ろう付けの品質、腐食や漏れ、長期の清浄性です。資料は、流路の一部だけを計算するCFDから、層、コア全体、試作へと検証を広げる必要を示します。小さな計算領域で有利でも、完成した熱交換器が有利とは言い切れません。[1]

PG25を使うRDHxでは、「細い流路で熱をよく取る」だけでは足りません。冷却液を無理なく流し、排気も通し、必要な熱量を運ぶ。その全体をそろえて、初めて良い設計になります。今回の発表は、プレートフィンを万能の答えにするものではなく、形を比較する順序を示したものとして読むと役立ちます。

参考資料

2026年9月23日確認。比較値は発表資料内の設計条件に限ります。講演動画の発言や質疑応答は根拠に含めていません。

[1]Xizhi Songほか「Thermal-Hydraulic Design of PG25-Cooled RDHx Cores」OCP公式掲載スライド(16頁。構造はpp.2–6、液体の性質と流路はpp.7–10、比較と検証はpp.11–14)。

[2]Open Compute Project「2026 OCP Korea Tech Day」発表一覧(開催日・登壇者と資料掲載)。

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