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OCP APAC 2026 | AIチップの電源を確かめる、試験用インターポーザーと負荷の自動掃引

間隔と幅の異なる淡い青灰色の曲面で、負荷条件による電圧応答の違いを表した概念画像。

AIチップへ電気を届ける回路は、必要な電流が急に変わっても、電圧を許容範囲に保たなければなりません。その確かめ方も、一定の電流を流すだけでは足りません。電流の変化をどれほど速く、どの周期で繰り返すかまで、試験の条件になります。

2026年8月のOCP APAC SummitでGoogleが示したのは、専用の処理を担うASICなどの電源を検証するために、試験用インターポーザーの設計から、負荷を自動で変える試験までをつなぐ手順です。装置のつまみを自動で回す前に、何を再現し、どこで測るかをそろえる。そこが、この提案の出発点です。[1・2]

電流の大きさと、変わる速さを分けて見る

まず確認するのは、チップの電源仕様です。資料は、電源系統である電源レールごとに、定常時と変動時の電圧条件、リップルと呼ばれる電圧の細かな揺れ、電流が変化する速さを確認するよう求めています。この変化の速さがスルーレートです。同じ最大電流でも、ゆっくり増える場合と急に増える場合では、試す条件が異なります。[2]

続いて、その条件を作れる負荷ツールを選びます。必要な最低電圧とピーク電流に対応するか、電流を正確に読めるか、立ち上がり・立ち下がりの速さを調整できるかを確認します。発熱への冷却や、過熱・逆挿しへの保護も選定項目です。ノイズの許容範囲が厳しいレールには、静的な負荷を備えたインターポーザーで試験する案も示されています。[2]

試験用の接続基板も、測定結果を左右する

ここでのインターポーザーは、電源の試験対象と負荷ツールをつなぐ接続基板です。資料では、高密度に配線できるHDI基板を使い、電源、グラウンド、制御信号、電流測定用のシャント信号の接続を確認します。電源を試すための基板として、配線と測定点を設計します。[2]

負荷ツールは、電源レールの出力の近くに置きます。接続経路の抵抗による電圧低下、IRドロップを小さくするためです。測定点へは専用の配線対を引き、どこの電圧を読み取るかも設計段階で決めます。負荷をかける位置と電圧を測る位置の両方を整えて、試験したい電源の状態を捉えます。[2]

さらに、基板の層をつなぐビアに電流が偏らないか、配線の抵抗が最大負荷時の動作を妨げないかを、直流のシミュレーションで確認します。電圧の測定にはMMCX同軸コネクターや適切なアクティブプローブを使う案もあります。試験を自動化しても、その入口となる配線や測定方法が不適切なら、欲しい波形は得られません。[2]

負荷を変えながら、電圧と電流を一緒に記録する

試験の構成では、直流電源が負荷ツールと電圧レギュレーター(VR)へ給電し、信号発生器が負荷の変動を作ります。オシロスコープは出力電圧と、電流を知るためのシャント信号を記録します。操作画面であるGUIが、条件の変更と波形の取り込みをまとめて制御します。[2]

資料の「3D Automation」は、この条件をプログラムで順に変える自動掃引の構想です。GUIでは負荷電流の最大値と増減の速さを設定し、周波数とデューティー比の開始・終了値を指定します。周波数は負荷変動を繰り返す速さ、デューティー比は一周期のうち負荷パルスがオンになっている時間の割合です。[2]

掲載された3Dグラフは、周波数とデューティー比に対して、出力電圧の最大値がどう変わるかを立体的に表しています。この発表の3Dは、試験条件の自動掃引と応答の立体表示に関する表現で、半導体の積層構造を指してはいません。[2]

たとえば、最大電流だけを合わせて一度測る試験では、繰り返し方を変えたときの電圧応答まではわかりません。周波数とデューティー比を順に変えれば、どの組み合わせで電圧が大きく変動するのかを探れます。自動化の狙いは、測定回数を増やすだけでなく、条件と波形を対応づけて比較しやすくすることにあります。

基板・負荷ツール・操作画面を、共通の手順でつなぐ

発表が目指しているのは、ASICの設計者、基板の設計者、負荷ツールの提供者が、同じ試験手順を共有できる環境です。仕様の読み取り、負荷ツールの選定、インターポーザー設計、測定系の構築、自動掃引を一続きにすることで、どこまで確かめたかを共有しやすくしようとしています。[2]

発表時点では、負荷ツール、インターポーザー、GUIの設計プロセスを扱うOCP仕様を公開する計画が示されています。発表資料を、確定済みの仕様書として読むことはできません。AIで波形を識別して調整案を出すことも今後の可能性として述べられており、この資料には、試験時間の短縮率やAIによる判定精度の実測値は示されていません。[2]

この提案から見えるのは、電源試験の自動化を支える基板と計測の大切さです。必要な負荷を作れること、そのときの電圧を正しい位置で測れること、条件を変えて同じ手順を繰り返せること。その三つをそろえるところから、AIチップの電源を確かめる仕組みは始まります。

Googleの親会社Alphabetについて

Googleを傘下に持つAlphabetの事業と収益構造は、cyclewaveの企業解説にまとめています。

参考資料

2026年8月11〜12日開催の発表資料をもとに構成。仕様公開とAI活用に関する記述は、発表時点の計画・提案です。

  1. Open Compute Project「2026 OCP APAC Summit」 — 公式イベント・発表資料一覧。
  2. Google「Interposer design flow with 3D Automation loading Slammer for ASIC/xPU.」 — Li-Chung(Leo)Chen、Jimmy Chen。公式一覧からリンクされたスライド。pp.3〜8:設計・試験手順と自動掃引、pp.9〜11:共通化と仕様公開の計画。

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