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OCP Korea 2026 | 大容量SSDを使う前に、どう確かめる?

事前処理に入る前の断片が、層状に整っていく大容量SSD評価の概念アート

128TBのSSDを一台試すだけで、準備に十数日。容量が大きくなるほど、製品の評価に入る前の時間まで長くなる――。OCP Korea Tech Dayでサンディスクが示したこの例は、大容量SSDの課題が「何TB入るか」だけではないことを教えてくれます。[1・2]

ここでいう準備は、SSDを所定の状態まで書き込んでから性能や耐久性を測る事前処理(preconditioning)です。まっさらなSSDの一回限りの速さだけでは、データが出入りし続ける現場の性格をつかみにくいからです。

容量が増えるほど、試験の入口が遠くなる

登壇資料では、従来の方法で128TBのSSDを事前処理すると約12日、256TBでは約24日という例が挙げられました。サンディスクは、書き込み方を工夫するオープンソースのSPRandomを使えば、128TBの例で約14時間に短縮できると説明しています。これは同社が提示した試験条件での比較で、すべてのSSDや評価項目で同じ時間になるという意味ではありません。[2・4]

短くしたいのは「測定前の準備」です。SPRandomを使ったからSSDそのものの読み書きが速くなるわけではありません。試験する側は、事前処理後の書き込み分布が目的の負荷を再現しているか、同じ条件で別の個体にも適用できるかを確かめる必要があります。

共通の仕様は、比較の土台になる

OCPのDatacenter NVMe SSD仕様は、複数の事業者が必要とする要件を公開文書としてまとめています。発表で振り返られた現行のv2.7は、既存のNVMe規格に上乗せするデータセンター向けの条件を定めたものです。購入企業が独自に追加する要件もあり、この文書だけで全製品の適合や性能が決まるわけではありません。v2.8は講演時点で「Coming Soon」と記されていました。[2・3]

仕様を共有すると、評価の入口もそろえやすくなります。実際、発表はMetaとGoogleの公開テスト例にも触れています。ただし、公開されたテストを走らせたことと、特定のシステムで長期に安定して動くことは別です。容量、書き込みパターン、故障時の振る舞いまで、自分の運用条件に引き寄せて読む必要があります。[2・3]

SSDの中に置く「地図」を見直す

発表の後半は、もう一つの隠れた費用に目を向けます。SSDのフラッシュ変換層、FTLは、外から見える保存場所とNANDの実際の置き場所を結びつける「地図」です。大容量になるほど地図も大きくなり、従来のようにDRAMへ置くと、装置全体で必要なメモリーが増えます。[2]

サンディスクは、この管理情報の一部をNAND側へ置く構成を例示しました。24台のSSDを積むモデルでは、SSDあたりのDRAMを32GBから4GBとし、システム全体を864GBから192GBへ抑える計算です。1EBを配備すると約78%減という数字も同じ前提から出ています。設計例の計算であり、どのSSDでも無条件に節約できる値ではありません。NANDへ移せば、管理情報を取り出す待ち時間や書き換えの扱いも評価する必要があります。[2]

大容量化で確かめるもの

大きなSSDは、台数や配線を減らせる可能性があります。その一方、事前処理にかかる日数、試験の再現性、FTLの置き場所、メモリーとの交換条件が重要になります。容量の数字を見たあとで「どう確かめ、どう管理するか」へ視線を移す。今回の発表の価値は、その順番を示したところにあります。

今回のSSD技術を発表したサンディスクの事業全体は、cyclewaveの企業記事で整理しています。

参考資料

2026年9月23日確認。発表スライドと公開文書を区別して読み、発表者の試験値は実運用の保証とみなしていません。

  1. OCP「2026 OCP Korea Tech Day」 — 開催情報と発表資料一覧。
  2. Ross Stenfort(Sandisk)「Storage: Past, Present, Future」 — pp.3、7、9〜11。12日・14時間とDRAM削減は登壇資料の例。
  3. OCP「Datacenter NVMe SSD Specification Version 2.7」 — 公開仕様の範囲と追加要件。
  4. fio「sprandom.fio」 — 事前処理の公開実装例。

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